「えちごせきかわ大したもん蛇まつり」は、新潟県関川村で毎年開催されるお祭りです。その始まりは、村に伝わる大蛇の伝説と、1967年に起こった大きな水害の教訓を忘れないためにと始まりました。このお祭りを通じて、私たちは過去の出来事から学び、防災の大切さを次世代に伝えています。
関川村大蛇伝説
関川村の上流には「蛇喰」と呼ばれる地域があり、そこに炭焼き職人の忠蔵とその家族が住んでいました。ある日、忠蔵は巨大な大蛇と戦って退治しましたが、妻のおりのがその大蛇の肉を味わってしまい、やがて大蛇の姿に変わってしまったのです。そして、おりのは村の川をせき止めて大きな湖を作ろうとしましたが、旅の座頭さんがその危険を村に知らせ、村人たちは力を合わせて村を守り抜きました。座頭さんは村の恩人として祀られ、その精神が今もお祭りとして受け継がれています。
その後、座頭さん(旅の音楽家)が村に災害が訪れることを知らせ、大庄屋や村人たちは力を合わせて村を守りました。村人たちは座頭さんに深く感謝し、彼を神として祀り、その精神が今も祭りとして受け継がれています。
祭りの様子
「大したもん蛇まつり」では、長さ82.8メートルの大蛇が竹と藁で作られ、村内を練り歩きながら、山の高台へと運ばれます。このお祭りは、村の伝統と自然の脅威に立ち向かう人々の力を伝える、関川村ならではのイベントです。また、2024年には「NIPPON防災資産」として国からも認定され、地域の防災文化を未来に伝える大切な役割を果たしています。
このお祭りを通して、訪れた皆さまにも自然の力と村人たちの絆を感じていただきたいと願っています。
第34回えちごせきかわ大したもん蛇まつり
「大したもん蛇まつり」無事開催!
多くのご来場、ありがとうございました!
2024年8月24日(土)〜2024年8月25日(日)
関川村で開催された「第34回大したもん蛇まつり」は、無事に終了いたしました。
今年も多くの方々にご来場いただき、村をあげての一大イベントを盛り上げていただきましたこと、心より感謝申し上げます。
大蛇パレードは、全長82.8メートルの大蛇が村内を練り歩き、竹とワラで作られたこの大蛇を担ぐ500人の参加者が、その壮大な姿を披露しました。
特に、太鼓の音とともに進行する大蛇の迫力は、訪れた皆さまにとって忘れられない瞬間となったことでしょう。
気温が高く、夏日となる中での開催となりましたが、多くのご家族連れや友人同士が足を運んでくださり、関川村の伝統と地域の絆を感じていただけたことと思います。残念ながら最後にはあいにくの雨となりましたが、それでも最後まで大勢の方にご参加いただき、盛況のうちに幕を閉じることができました。
関川村の魅力を再発見し、次の世代に伝えることができるこの「大したもん蛇まつり」が、今後も続いていくことを願っています。来年も皆さまのお越しをお待ちしております!
写真で振り返る大したもん蛇まつりの様子
第34回 大したもん蛇まつりの様子
- 8月23日(金) 17時30分~18時00分 安全祈願祭(蛇喰・おりのの碑広場)
- 8月24日(土) 19時00分~ 花火大会(高瀬温泉周辺から打上げ)
- 8月25日(日) 9時30分~12時頃 大蛇パレード
2024年8月25日(日)開催
8月23日(土)から25日(日)に開催を予定している大したもん蛇まつり
8月25日(日)の大蛇パレードは、9:30にスタート、村内を練り歩き 11:30頃 村の中心である道の駅、役場周辺での練り歩き、正午頃フィナーレを迎える予定です。
今年もぜひ、大蛇に会いに来てください!
また、花火大会は8月24日(土)19:00スタート予定です。
2023年に開催された「大したもん蛇まつり」の様子
花火大会の様子
大したもん蛇まつりって!?
メインイベントの大蛇パレードに登場する長さ82.8m、重さ 2t の大蛇は村民の手作りで、竹とワラで作った世界一長い蛇としてギネスブックに認定されています。
まつりのメインである大蛇パレードは、毎年8月の最終日曜日に開催され、その前夜には、夜空を彩る花火大会が開催されます。
きっかけは何だったの?
関川村には各地区のお祭りはありますが、全村民が参加して楽しむお祭りはありませんでした。
それならば新しいお祭りをつくろうと、人材発掘を目的に開塾した「せきかわふるさと塾」が母体となり、実行委員会が組織されました。
都会にはない村の良さを掘り出し、それを肌で感じ、村に生きることの喜びと自信を持つことも目的のひとつでした。
なぜこんなに長いの?
昭和42年8月28日の羽越大水害は多くの犠牲者を出しており、惨事を忘れることなく次代へ引き継ぐため、82.8mとなりました。
どうやってつくるの?
竹とワラを材料に、関川村の54集落が分担して胴体をつくります。
ですので、大蛇は頭部と54個の胴体がつなぎあわされてできているのです。
大里峠の大蛇伝説
荒川の支流、女川の上流に蛇喰という村があり、忠蔵とおりのという夫婦、そしてその娘が住んでいました。忠蔵の仕事は炭焼きで、仕事場の阿古屋谷には大蛇がいるといううわさがありました。
ある日、忠蔵がお昼ごはんのあとにうたた寝をしていると、みょうな物音がしました。見ると、大蛇がそばまで迫ってきています。忠蔵はマサカリをつかみ、大きな口をあけた大蛇と必死の思いでたたかい、なんとかしとめました。忠蔵はその大蛇をみそ漬けにすることに決め、てきとうな大きさに切って家に持ち帰りました。そして樽に入れてみそ漬けにしたのです。樽は合計で13個半になりました。忠蔵はおりのと娘に「樽の中は決して見てはいけないよ」と言いましたが、何日かして、おりのは「少しのぞいて見るだけ」と樽を開けてしまいました。そしてみそ漬けの肉を見て「おいしそう」と思い、1つを食べてしまいました。そのあまりのおいしさにあと1つ、もう1つと次々に食べ続け、しまいにはすべてをたいらげてしまいました。それでのどがかわいたおりのは、女川の水を飲み始めました。そのとたん、おりのは水面にうつる自分の顔を見ておどろきました。なんと、大蛇の姿になっていたのです。
夕方、忠蔵が仕事から戻ると「おっかあがいない」と娘が泣いていました。忠蔵はからっぽになった樽を見て、すべてをさっしました。そしておりのを探しに出ましたが、とうとう見つかりませんでした。
それから何年もたった夏のおわりのある日のこと。1人の座頭さんが米沢街道を、歩いていました。ちょうど大里峠で夜になったので、座頭さんはほこらの前にすわって休むことにしました。そして琵琶の演奏を始めました。1曲をひきおえると、どこからか女の声がします。「もう1曲、聞かせて下さい」。座頭さんはたのまれるままに琵琶をひき続けました。その後、女に身の上をたずねてみたら女は「私はもともと、人間で夫も娘もいましたが、わけがあって大蛇になってしまったんです」とこたえました。ビックリしている座頭さんに女はなおも言いました。「体が大きくなったので住む所もせまくなりました。なので、貝附のせまい所をせき止めて、荒川や女川のあたりを大きな湖にして、そこに住もうと思っています。だから座頭さん、あなたは安全な場所へ逃げた方がいいですよ。でも、このことはだれにも言わないで下さい。もし、ばらしたら命はありませんよ」
座頭さんは大変だと思い、下関へと急ぎました。大蛇が川をせき止めたら村は湖の底にしずんでしまいます。それを知らせるために大庄屋の渡辺三佐工門の家へかけつけのです。すべてを話した座頭さんは、そのまま息を引き取ってしまいました。三佐工門は村の人々を集め、相談を始めました。座頭さんが息をひきとる直前に「大蛇は鉄がとてもきらいです」と言ったのを思いだし、村中の鉄を集めて大きなクギをたくさん作ることにしました。そしてそのクギをみんなで大里峠まで運び、あたり一面に打ちつけたのです。すると大蛇が姿をあらわして苦しみ始めました。
それは7日7晩の間つづき、村人たちは眠れない日々を過ごしました。やがて大蛇は息絶えて、村は助かりました。村人たちは危険を知らせてくれた座頭さんに深く感謝し、神様としてまつることにしました。今でも下関には、座頭さんののこした琵琶がまつられているということです。
「竹とワラでつくられた世界一長い蛇」としてギネス認定
(竹とワラで作られた世界一長い蛇)
世界で一番大きな竹の蛇は長さ82.8m重さ2トン。
2000年8月27日 第12回大したもん蛇まつりで、
日本の関川村を500人の人々によって担がれ、練り歩いた。
事前予約 | 大蛇の担ぎ手は事前に申し込みが必要です。 |
パレードコース | 垂水の里→高瀬温泉→ケアハウス前→上関本村内→「道の駅」関川→渡邉邸→「道の駅」関川 |
交通アクセス | ・JR米坂線「越後下関駅」より徒歩で5分 「令和4年8月豪雨災害の影響でJR米坂線[ 坂町駅~今泉駅 ]は運休しております。代行バスをご利用ください。」 ・日本海東北自動車道「荒川胎内IC」より車で15分 |
駐車場 | 普通車:有り |