着物で巡る 秋のにいがた庭園街道、本日開幕!
― 国重要文化財・渡邉邸で感じる日本の美 ―
Kimono Journey through Niigata Garden Road – Discover Japanese Elegance at Watanabe-tei, Sekikawa Village
穿著和服漫遊新潟庭園之道|在關川村渡邊邸感受日本的極致之美
昨日10月14日11時頃、国指定重要文化財・渡邉邸においてオープニングセレモニーが開催されました。
着物姿の女性たちが美しい庭園を巡り、本日10月15日からの開幕に華を添えました。





奇跡の街道「にいがた庭園街道」で特別な秋を
本日10月15日より11月15日まで、秋の特別企画
「着物で巡る 秋のにいがた庭園街道」が開催されます。
公式サイト:にいがた庭園街道 – にいがた「美の世界」との遭遇
村上市を起点に、関川村を含む9市町村にまたがる全長約150kmの街道には、
28カ所の日本庭園や伝統建築が点在。
新潟県は「庭園王国」とも呼ばれ、国指定名勝の庭園が6つを数えます。
京都や金沢が寺院を中心に発展したのに対し、
新潟では、かつて全国に数軒しか存在しなかった豪農地主の屋敷と庭園が
街道沿いに集中して残っています。
さらに、周囲には名湯・温泉地も集まり、
庭園美・建築美・原風景・温泉の魅力がひとつに調和する、まさに“奇跡の街道”です。

渡邉邸 ― 約200年の時を超える豪農の傑作
開幕セレモニーは、国指定重要文化財の渡邉邸(関川村)で開催されました。
着物姿の女性たちが庭園をそぞろ歩く姿は、まるで時代を超えた映画のワンシーン。
歴史の中に息づく“日本の美”を感じさせるひとときでした。
渡邉邸は、江戸後期に廻船業で栄えた豪農・渡邉家の旧邸です。
文化十四年(1817年)に建てられた大座敷は、
当時の姿をほぼそのままに伝え、約200年の時を刻んできました。
匠の技と美意識が息づく大座敷
大座敷の造りには、当時の最高峰の技と美意識が凝縮されています。
柱は節のない面皮付き柱、天井の棹縁も同様に皮を剥いだような面皮付き縁。
その設計思想は、現代の高級旅館にも通じる洗練さを持ちます。
江戸時代、武士でなければ建てられないとされた書院造りを採用し、
「武者隠し」まで備えた格式ある空間。
客間の隣には浴室と便所が設けられ、
小便用の“朝顔”には佐賀・鍋島焼が使われるなど、細部まで贅を尽くした造りです。
構造面では、跳ね木工法(弥次郎兵衛の原理)を用い、
細身の柱で深い軒を支える巧妙なバランスを実現。
繊細さと強度を両立したこの技は、当時の職人の高度な知恵の象徴です。
欄間には「岸辺」の情景が描かれ、
見る人が“庭の池”や“大海”を想像する余白の美が漂います。
十一代当主の姉君は晩年、三本の柱が一直線になる場所に座り、
庭を静かに眺めるのを好まれたと伝わります。
そこはまさに、渡邉邸で最も美しい“特等席”です。
国指定名勝 ― 廻船業が紡いだ美の庭園
渡邉邸の庭園は、昭和38年に国の名勝に指定。
その始まりは約260年前。廻船業を営んでいた渡邉家ならではの物語が宿ります。
帰り船に小豆島や紀州の石を積み込み、
遠く関西から運ばれた石々が庭に据えられました。
庭石の三分の二以上が関西産で、鞍馬石や瀬田川の真黒石など、
名石が贅沢に配された庭は、まさに“海を越えてきた美の結晶”。
京都から招かれた遠州流の庭師が手掛けた庭園は、
中央に心字池を穿ち、築山を配した池泉回遊式の構成。
剛毅と繊細が見事に融合し、見る人を幽玄の世界へと誘います。
苔むす緑、水面に映る空と紅葉の彩り――
訪れるたびに表情を変え、季節ごとの静かな詩情を感じさせます。

庭屋一如(ていおくいちにょ) ― 建物と庭が織りなす調和
渡邉邸の真髄は、庭と建物を一体として設計した“庭屋一如”の思想にあります。
縁側に腰掛けて庭を眺め、障子越しに差し込む光や風の音を感じる。
自然を暮らしの一部として取り込み、
四季の移ろいを五感で味わう――
その優雅な暮らしの形こそが、江戸の豪農文化の真の豊かさです。
建物の中から眺めた風景が、まるで一幅の絵のように調和するこの設計は、
現代にも通じる“日本の住文化の原点”と言えるでしょう。
紅葉が彩る、着物で歩く秋の庭園
これから11月中旬にかけて、渡邉邸の庭園は紅葉の見頃を迎えます。
心字池に映る紅葉、関西から運ばれた名石と色づいた木々の対比、
そして大座敷の縁側から眺める秋景色――
すべてが静寂と美の調和を奏でます。
街道沿いには棚田や山々、古い集落の風景が続き、
まるで昔話の中を旅しているかのような気分に。
秋の一日、着物姿で歩けば、その風景の一部になるような体験が待っています。



着物でお越しの方にうれしい特典
期間中、着物でご来場の方には、
渡邉邸をはじめとする有料施設で入場料割引や限定プレゼントがあるとのこと
着物をまとうことで、訪れる方の心も華やぎ、
庭園の風景もより一層引き立ちます。
“日本庭園の美 × 建築の美 × 着物の美”――
三つの美が重なり合う特別な体験を、ぜひこの秋に。
イベント概要
- 開催期間:2025年10月15日(水)~11月15日(土)
- 対象施設:にいがた庭園街道 28カ所(渡邉邸ほか)
- 特典:着物着用で入場料割引/一部施設でプレゼント
- 公式サイト:にいがた庭園街道 – にいがた「美の世界」との遭遇
関川村観光協会より
京都や金沢のように名を知られていないかもしれません。
しかし、新潟には「屋敷と庭がともに息づく」日本の原風景があります。
渡邉邸はその象徴であり、眠れる宝でもあります。
私たちは、この美を次の世代へ受け継ぎ、
県内外、そして世界へと伝えていきます。
この秋、着物をまとい、渡邉邸の庭で風と光に包まれてみてください。
きっと“日本の美”の原点に出会えるはずです。
Kimono Journey through Niigata’s Garden Heritage – Discover Japan’s Timeless Beauty at Watanabe-tei
From October 15 to November 15, explore the Niigata Garden Road, a 150 km route connecting 28 traditional gardens and historic estates across northern Niigata.
At the Watanabe-tei Residence in Sekikawa Village, a designated Important Cultural Property of Japan, you can step into a world where architecture and nature merge in perfect harmony.
Built in 1817 by a prosperous merchant family, Watanabe-tei features elegant Shoin-style rooms and a breathtaking pond garden designed by an Enshū-style gardener from Kyoto.
The stones that form the garden were once carried across the sea from Kansai ports—each holding a story of Japan’s maritime heritage.
During the autumn season, the maple leaves reflect in the pond, creating a painting-like scene.
Visitors wearing kimono will receive discounted admission and special gifts at participating garden sites.
Experience the essence of Japan—where heritage, nature, and hospitality come together beautifully in Niigata.
穿上和服,走進秋日的新潟庭園之道|在關川村「渡邊邸」體驗日本傳統之美
活動期間:2025年10月15日至11月15日
這是一條全長約150公里、橫跨新潟縣9個地區的「新潟庭園之道」,沿途有28處日式庭園與歷史建築。
位於關川村的渡邊邸是日本的國家重要文化財,建於江戶時代(1817年),由繁盛的船運商家所建。
庭園邀請京都遠州流庭師設計,中央的心字池、築山與名石構成典雅的池泉回遊式庭園,
石材多來自關西地區,如鞍馬石、瀨田川真黑石,每一塊都承載著當年的航海故事。
秋天的楓紅映照池水,猶如一幅靜謐的畫。
穿著和服前來的遊客,可享有入場折扣與紀念禮物。
讓我們在這條充滿歷史與自然氣息的庭園之道上,
體驗屬於新潟的“日式美學”——柔和、細膩、恆久不變。